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細胞治療に用いるヒト細胞・組織医薬品のGMPについて、厚生労働省医薬食品局審査管理課は、「自己」と「非自己」に分けて、「ヒト由来細胞・組織加工医薬品等の品質と安全性確保に関する指針」の改訂を進めている。自己細胞についての指針は、近日中にパブリックコメントを行う予定だ。日本は世界的に見て、細胞の調整、培養、加工など細胞プロセッシングに関する規制の整備が遅れていることが指摘されており、確認申請段階での要件などを明記することで、開発企業が取り組みやすくし、細胞・組織利用製品の開発を促進させる考えだ。一連の見直しでは、主に細胞治療による感染症伝播の防止策に関するルールや規制を定める、いわゆる“日本版GTP”の制定が図られる予定で、GMPと合わせた形で省令改正を目指す。
「ヒト由来細胞・組織加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」は、2000年に、「細胞・組織医薬品等の取り扱い及び使用に関する基本的な考え方」と共に医薬安全局より通知された。通知では、採取段階のドナースクリーニング、ドナーへの説明及び同意などの倫理規定、品質の一定性を確保するための製造方法や品質管理、非臨床安全性試験等について定めている。
今回の見直しは、自己細胞を使う場合には感染リスクが小さく、抗原抗体反応が起きる可能性も低いなどの特性を踏まえ、自己細胞と非自己細胞に分けて指針を改定することにした。
自己細胞に関する指針は、8月中にパブリックコメントを開始し、9月の薬事・食品衛生審議会生物由来技術部会に諮る予定。一方の非自己細胞についての指針は、年度内をメドに策定する。
また、細胞・組織利用製品等の製造・品質管理基準についても整備を進めている。指針は当初、通知として運用される見込みだが、今年度内を目標に省令化を図りたいとしており、最終的にはヒト細胞・組織医薬品GMPとして一本化されることになりそうだ。
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