厚生労働省医薬食品局総務課は、「登録販売者試験実施要領」に関する課長通知を各都道府県に発出した。6月にまとまった登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会の報告書を踏まえたもので、受験資格として1年間の実務経験が必要なことや、試験は国が作成する「試験問題作成の手引き」から出題することが明記されると共に、手引きは原則として年1回改訂することにした。
通知では、受験資格として1年間の実務経験を求めた。何をもって実務経験とするかについては、専門家である薬剤師または登録販売者の管理指導の下、医薬品販売の現場で[1]医薬品の取り扱いを知る[2]購入者等からの要望を聞きそれを専門家に伝えて応答の仕方などを知る””ことなどを挙げた。さらにその確認も求め、受験資格として求める内容を伴ったものであることを客観的に証明できる方法が必要とした。
学歴については、高校卒業程度としているが、その要件を満たさない場合には、高卒程度の代わりに、3年間の医薬品販売の実務経験を求めている。
試験免除者は設けないが、薬学教育6年制課程卒業業者については、受験資格として実務経験を求めないこととした。
試験実施要綱も厚労省検討会報告書に沿った内容で、試験は筆記試験とし、少なくとも年1回以上、定期的に実施する。試験項目としては、[1]医薬品に共通する基本的な知識(出題数20問、配分時間40分)[2]人体の働きと医薬品(20問、40分)[3]主の医薬品とその作用(40問、80分)[4]薬事関連法規・制度[5](20問、40分)医薬品の適正使用・安全対策(20問、40分)””の5項目(120問、240分)
出題範囲は、国が作成する「試験問題作成の手引き」から出題するとし、手引きは、一般用医薬品の区分変更等を踏まえ、必要に応じて原則とし年1回改訂することとした。なお、都道府県知事により試験の施行に関して告示した後に「手引き」が改訂された場合には、改訂部分に関する出題は行わないこととした。
出題方針としては、登録販売者は医薬品販売の最前線で実際に購入者等に情報提供・相談対応を行わなければならず、確認すべき知識は実務的な内容のものとし、▽販売時に購入者に適切な情報を提供するための知識▽副作用等に適切に対処するために必要な知識▽薬事関連法規を遵守して医薬品を販売等するために必要な知識▽これら知識を身に付けるために必要な基礎的な知識””を求めている。
合格基準は、総出題数に対し7割程度の正答を求めると共に、各試験項目ごとに都道府県知事が定める一定割合以上の正答率で合格にすることとした。