アステラス製薬は、米国で体液正常型の低ナトリウム血症治療薬である「バプリゾール」(一般名:コニバプタン)を発売した。低ナトリウム血症の適応を持つ世界初の薬剤で、米国市場で初年度500万ドルの売り上げを見込む。
同剤は、バソプレシンV1a、V2受容体拮抗作用を有する注射剤で、ナトリウムの排泄を伴わない排尿によって、体内の貯留水分を減少させることで、血中ナトリウム濃度を改善する。
アステラスは米国で心機能検査補助剤「アデノスキャン」(一般名:アデノシン)などの販売を通じ、病院向け循環器市場の事業基盤を確立してきており、同剤を加えることで、より強固にしたい考え。
04年に体液正常型、体液貯留型の低ナトリウム血症治療薬としてFDAに承認申請したが、05年末に承認されたのは体液正常型の治療薬としてだった。体液貯留型については、FDAとの協議に向け準備中。日本での開発は行われていない。