大阪と兵庫の医療系6大学が連携して取り組む「6大学連携オンコロジーチーム養成プラン」に関するプレスセミナーが7日、大阪市内で開かれた。同プランは、各大学の大学院に2008年度から各種コースを新設し、癌を専門とする医師、看護師、薬剤師、医学物理士の育成を進めるもの。社会人を中心に年間45人前後を受け入れる。癌専門薬剤師コースは近畿大学、神戸大学に設置され、修士課程4人、博士課程2人を養成する計画だ。取り組みは、文部科学省が推進する「がんプロフェッショナル養成プラン」の一環。同プランには全国で18件が選定されている。
連携するのは近畿大学、神戸大学、兵庫医科大学、大阪市立大学、大阪府立大学、神戸市看護大学の6大学。医学・看護学・薬学系大学院に、癌薬物療法専門医(博士課程4年、定員合計約20人)、放射線腫瘍専門医(博士課程4年、8人)、癌看護専門看護師(修士課程2年、509人)、癌専門薬剤師(修士課程2年と博士課程3年、6人)、医学物理士(修士課程2年と博士課程4年、4人)を養成する各コースが設けられる。このほか、癌診療に関わる各医療職の生涯教育などを目的としたインテンシブコースも設置される。
チーム医療を指向した教育体系が同プランの特徴だ。各コースの多職種が1カ所で共に学ぶ「共通特論」や、各大学間での単位互換などを通じ、共通したプログラムで教育が展開される。「教育の段階から多職種で同じ教育を受けることが、将来のチーム医療の原型になっていく」と中川和彦氏(近畿大腫瘍内科教授)は説明した。近畿、大阪エリアの各大学が不足する部分を補いながら教育的な人材を結集し、質の高いプログラムを作ることができたという。
実習は、4大学の附属病院、近畿4府県の癌診療連携拠点病院12施設、国立がんセンター東病院の計17施設で行われる。各施設には、包括的に癌を診療する体系が構築されつつあり、その診療に参加してチーム医療を体験しながら、癌分野の臨床的な知識や技術を吸収し専門性を高める仕組みだ。
- 【文科省】がんプロフェッショナル養成プラン‐18件のプログラムを選定
2007年08月09日