富士経済は、ドリンク剤、ビタミン剤、循環器・血液用薬、漢方薬、その他保健薬の5分野21品目の一般用医薬品市場を調査分析し、報告書「一般用医薬品データブック2007No.3」にまとめた。このうち、ドリンク剤は減少傾向が続いているものの、ビタミン剤は新たな商品コンセプトを打ち出した新商品が健闘していること、血清高コレステロール改善薬や肥満防止薬が、メタボリックシンドロームへの関心の高まりから増加傾向にあることなどを挙げている。
06年のドリンク剤市場は、医薬品が416億円(前年比10.6%減)、医薬部外品が1347億円(7.6%減)で、トータル1763億円(8.3%減)だった。06年は、特に100mLタイプのドリンク剤で上位企業が流通在庫の整理・縮小を進めたことから出荷が減少し、落ち込み幅が大きくなっている。ミニドリンク剤は05年に、景気回復から高価格帯商品を中心に売り上げ回復の兆しが見え始めたが、根本的な需要回復にはつながらず、06年も前年割れとなった。
07年見込みとしては、医薬品が1.4%減の410億円、医薬部外品が6.3%減の1262億円、トータル5.2%減の1672億円を予想している。
ビタミン剤の06年市場は573億円で、07年見込みは0.5%増の576億円。エーザイの「チョコラBB」が女性層の需要開拓を進め、エスエスが今年発売した「キュティナ」も好調に推移。興和新薬の「キューピーコーワゴールドα」や、ロート製薬の「ビタレスト」も新規需要を獲得している。さらに、エーザイが「ナボリン」のTVCMを投下し、興和新薬の「パニオンコーワ錠」がエネルギー代謝改善薬として注目を集めていることから、市場拡大が期待される。
このほか、循環器・血液用薬は06年が164億円、07年見込みは11.6%増の183億円で、肥満防止剤では小林製薬の「ナイシトール85」、クラシエ薬品の「新コッコアポ」などが好調で、市場を牽引している。漢方薬(漢方処方エキス製剤)は06年が145億円で、07年見込みは17.2%増の170億円としている。