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東邦薬品、大木、国分の3社は7日、医薬品・食品・化粧品・日用品事業における中間流通基盤の強化と発展を目指した業務提携を締結した。医療用医薬品、OTC、食品流通での3社のノウハウを共有して、流通・小売業界の変化を先取りした「新たな次世代ビジネスモデルの確立」を目指す。今後、全体方針の基本事項決定と各種活動を円滑化する提携推進委員会と、個別課題の検討と具体策を実施するための分科会を設置する予定だ。なお、現時点では資本提携の考えはないとしている。
国分の國分勘兵衛会長兼社長は、今回の業務提携基本合意内容を説明すると共に、今年3月に国分から提携を持ちかけた経緯を明らかにした。大木の松井秀夫社長は、「ドラッグストアの店舗大型化、加工食品も扱うコンビニ化などの変化に対応して、得意先と消費者のニーズを的確に捉えられるよう知恵を出し合っていきたい。3社で切磋琢磨して、実り多い成果が出せるのではないか」と抱負を語った。食品とOTCの流通については、「医薬品は温度管理などの法規定が存在するため一緒の物流は難しいが、“情報流”は共同でできる」とした。
また、東邦薬品の濱田矩男社長は、「それぞれの分野で個性豊かな3社が、これからの変化する時代に対応するため業務提携したことは、大変意義あることだと思っている。医療用医薬品流通で培った経験・ノウハウを生かしたい」と述べたほか、「分業の進展によって得意先は調剤薬局が5割に達し、新たな取り組みが必要になってきた。国の方針でも、治療から予防へ重点がシフトしてくることから、従来から業務提携していた大木のほか、国分の得意先とも接点ができてくる」と幅広い領域での中間流通機能の基盤構築などを探っていく考えを示した。
今回の業務提携は、医療、食品、健康、美容、快適な生活などを観点として、強固な中間流通基盤の構築を図り、既存の取り扱いカテゴリーを越えた広範囲な取り組みを実現し、新たなビジネスモデルの確立を目指したもの。
業務提携内容は、[1]それぞれの販路、商品、物流、情報システム、管理などの各分野における相互の情報共有、各経営資源の有効活用による中間流通機能の整備・開発[2]次世代ビジネスモデルの確立に向けた共同研究[3]海外市場流通に関する共同研究[4]社員教育・研修に関する相互協力、人材交流の検討[5]その他相互に密接な協力関係を構築するための施策の検討――の5項目。
3社の事業内容と規模は、酒類・食品等の卸売企業の国分が、従業員数4190人、連結売上高1兆3889億7500万円(2006年12月期末)、医療用医薬品等の卸売企業である東邦薬品は5104人、7734億3600万円(07年3月期末)、OTC等医薬品卸売企業の大木は335人、967億6800万円(同)となっている。