今年度の「保健文化賞」受賞者が決定した。今年度の受賞者は10団体、6人で、贈呈式は9月25日午後5時から、東京港区のホテルオークラで行われる。
保健文化賞は保健衛生分野で実際的な活動や研究を行い、優れた業績を上げた団体や個人を、第一生命が主催して毎年表彰しているもの。表彰は今年度で通算59回を数える。今回の受賞者と業績は次の通り。
<団体>
▽宮城県神経難病医療連絡協議会(宮城県):神経難病患者が安心して在宅医療できるよう、医療相談、入院調整、医療従事者研修、難病患者データベースの作成を行っている。
▽国際開発救援財団(東京都):カンボジア国立小児病院の外科診療施設改善と医師・看護師等の人材育成を実施。
▽東京都看護協会(東京都):「子育ては両親で」をメインテーマとし、両親学級、育児相談等を実施。
▽新潟大学医歯学総合研究科予防歯科学分野(新潟県):1970年に、学校でフッ化物洗口を実施することにより虫歯が抑制できることを実証し、以後、その普及に尽力。
▽IFMSA”Japan(山梨県):国際学生NGO団体IFMSA(国際医学生連盟)の日本支部で、45大学の医学部を中心とした学生が加盟。小学生を対象とした禁煙教育、高校生を対象とした性教育などを実施。
▽静岡県腎臓バンク(静岡県):腎臓バンク事業の運営を行うと共に、腎臓移植の普及啓発活動を推進。
▽尾道市医師会(広島県):在宅医療の推進を図った上で、社会福祉協議会や民生委員をも含めた多職種によるケアカンファレンスを実施し、高齢者医療と介護、福祉を総合的に提供。
▽広島県安芸太田町(広島県):糖尿病予防群への運動講座に端を発した町民・住民自習運動グループによってウォーキングを実践。
▽高知県食生活改善推進協議会(高知県):食を通じた健康づくり運動、食育を実践。
▽熊本県精神科病院協会(熊本県):精神科医療の発展、精神保健福祉思想の普及啓発を目的に各種研修を実施。
<個人>
▽千葉峻三(北海道):ケニアの感染症対策プロジェクトを実施し、相手国の医学研究所の施設改善や人材育成に尽力。
▽今泉亀撤(福島県):アイバンク設立に尽力し、多くの視覚障害者が視力を得る手段を提供。
▽石川伸克(東京都):結核の研究・教育・対策の実践に取り組む。
▽山本泰久(岡山県):乳癌検診の普及に尽力し、健康教室を開催。また、乳癌の術後患者の会を組織し、看護師と共に精神面をサポート。
▽山本文子(香川県):性教育、性行為感染症の普及啓発、助産師教育、育児相談などを実践。
▽中村裕一(福岡県):検診実施医師への指導及び研修に努め、消化管検診事業において精度管理システムを確立。