中外製薬は3日、親会社のロシュ社から輸入し、日本で販売している急性前骨髄球性白血病治療薬「ベサノイドカプセル」の1ロット(ロット番号K0156X1)の自主回収を発表した。社内取り決めで、日本向け製品には使用を禁止していたカナダ産ウシ由来原料が使われている1998瓶(100カプセル入り)が、1月から6月にかけて出荷されていたことによるもの。同社によると、同製品は欧州医薬品品質理事会(EDQM)が証明書を発行しており、欧州などでは安全性に問題がないとして使用が許可されている。
日本では、2004年3月に生物由来原料基準の一部改正が行われ、カナダ産ウシ由来原料を使用する場合には、承認書の一部変更手続きが必要とされている。そのため中外製薬では、同原料を使用した「ベサノイドカプセル」を日本に輸出しないようロシュ社と取り決めていたが、ロシュが日本での使用が承認されたものと誤認して輸出し、出荷されてしまったという。
2日から回収に着手し、回収した製品は廃棄処分する予定。