厚生労働省は「医薬品・医療機器等安全性情報」(第238号)を公表した。今回は、催眠鎮静剤、抗不安剤の「酒石酸ゾルピデム」「ゾピクロン」2成分について、睡眠随伴症状の「警告」欄を新設し、注意喚起を行った。米国で、睡眠剤による睡眠随伴症状等について添付文書の全般的な改訂が行われたことや、日本での副作用報告を受けての措置。
酒石酸ゾルピデム(販売名:マイスリー錠5mg、同錠10mg=アステラス製薬)と、ゾピクロン(アモバン錠7・5、同錠10=サノフィ・アベンティスほか)についてはこれまでも、精神症状や一過性前行性健忘等を「重大な副作用」に、また、就寝直前に服用することを「重要な基本的注意」に記載して注意喚起されてきた。
今回の改訂は、米国が睡眠剤による睡眠随伴症状等の副作用の一層の注意喚起を図るため、添付文書の全般的改訂を行ったことや、日本でも「もうろう状態、睡眠随伴症状」の直近3年間の副作用報告が、酒石酸ゾルピデムで12例、ゾピクロンで4例あったことから実施された。
酒石酸ゾルピデムは2000年12月に販売開始、年間推計使用者数は約200万人、年間推計販売額は約194億円。ゾピクロンは98年に販売開始、年間推計使用者数は約110万人、年間推計販売額は約56億円。
このほか、同様の理由で、催眠鎮静剤、抗不安剤のトリアゾラム(販売名:ハルシオン0・125mg錠、同0・25mg錠=ファイザーほか)についても、「警告」欄に睡眠随伴症状(夢遊症状等)が追記された。