アステラス製薬は、独を中心に欧州の事業拠点の統廃合を実施することになった。2007年度内に完了させる予定。免疫抑制剤などを担当していた独・ミュンヘンの開発拠点を閉鎖、医療費抑制策で市場環境が厳しい独の営業担当者の削減を含め要員を200人強減らし、事業効率の引き上げを図る。
労使の合意を経て、1日の取締役会で決定した。欧州の生産体制見直しは中期経営計画に盛られ、既に3工場を1月に売却しているが、今回のは中期経営計画外の取り組み。同社によると、合併前の旧山之内製薬、旧藤沢製薬の拠点の重複などがあったため再編することになった。
開発拠点は独を閉鎖し、オランダ・ライダートープに集約するほか、独では営業担当者を約120人減らす。独の学術や法務など本社スタッフ機能を、英国とオランダに統合する。
今回の取り組みによって120億円程度の特別損失の計上が見込まれる。うち54億円は既に前年度に計上済みで、残りは今年度に計上する予定。業績予想は変更しない。
同社は今後、今回の合意内容を独労働当局に届出し、当局との同意を取りつける。