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日本漢方生薬製剤協会(風間八左衛門会長)は記者会見し、薬価制度改革案を発表した。来年4月に予定される薬価算定ルールの見直しに当たって、不採算品算定ルールを生薬の不採算品目にも適用することや、漢方処方エキス製剤に対する最低薬価を局方品と同様に9.70円に引き上げるよう求めた。また、中期的には調整幅2%に、品質の安定や原料調達の安定のためのコストとして4%を「漢方管理ゾーン」として上乗せする漢方製剤・生薬の独自ルールを設けることを提案した。
日漢協改革案は、日本製薬団体連合会が傘下団体に薬価制度改革に対する意見を提出するよう求めていたのに応じて、提出したもの。改革案は、現行制度のままでは漢方製剤・生薬の薬価の継続的な下落で、新製品開発、安定供給が困難になる恐れがあるとしている。実際、20年にわたり新たな医療用漢方製剤は上市されていないという。
一方、医療用漢方製剤の最低薬価は6.40円だが、日漢協によると、市場に流通している漢方、生薬の半分程度で採算が取れておらず、さらに、原料生薬調達コストの高騰、栽培への投資も大きく、安定供給に支障が出る恐れがあるという。
こうした状況を考慮し、改革案には薬価算定ルールの見直しに対する要望として、生薬の不採算品にも不採算品再算定ルールを適用することを盛り込んだ。また、第15改正日本薬局方に収載された漢方処方エキスに係る医療用漢方製剤に対して、局方品最低薬価である9.70円の適用を求めた。
さらに、漢方製剤・生薬の独自ルールとして提案した「漢方管理ゾーン」は、「品質の安定、供給の安定、原料生薬調達の安定等を図るためのゾーン」と説明。そのコストとして4%を上乗せすることを提案した。4%については、「高いか低いかは議論があると思う」(上田賢示医療用製剤委員会委員長)とし、根拠は十分ではないことを示唆した。また、薬価調査で把握された市場実勢価格加重平均値が、薬価に比べ、調整幅と漢方管理ゾーンを足した6%を下回っていれば、このゾーンは適用しない仕組みも設ける。導入時期は「できるだけ早く」(同)としている。