薬剤標的として注目される膜輸送体の輸送活性計測感度を従来のパッチクランプ法と比べ、約100万倍向上させる超高感度活性計測技術を東京大学大学院工学系研究科の渡邉力也助教らの研究グループが開発した。独自の人工生体膜の量産技術を応用して、人工生体膜で被われた微小水滴を高度に集積化した超高密度人工生体膜チップを用いた技術。今後、様々な膜蛋白質を標的とした創薬候補を超効率的に探索する上で最適な基盤技術になることが期待されている。
膜蛋白質は細胞膜上にあり、情報伝達やエネルギー合成などの重要な役割を担っている。市販薬の大半は膜蛋白質を標的としており、中でも生体膜を介して細胞内外の基質の取り込みや排出を行う膜輸送体は、近年特に注目されている薬剤標的。膜輸送体を創薬の標的とする場合、その輸送活性を定量的に計測することが薬効を評価する上で重要だが、従来汎用されてきたパッチクランプ法では、検出感度の問題と計測対象が限られていることから、大半の膜輸送体の活性を計測することは極めて困難だった。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。