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「脳血管外科用血管塞栓物質」など4技術の早期導入を了承

2007年07月24日 (火)

 厚生労働省「医療ニーズの高い医療機器等の早期導入に関する検討会」は、評価ワーキンググループ(WG)が提出した「脳血管外科用血管塞栓物質」など4技術の報告書を了承した。今後は医療現場への早期導入に向け、申請など具体的な取り組みを関係企業に促していく。

 評価WGが提出した報告書は、▽脳血管外科用血管塞栓物質▽血管内液体塞栓物質▽小児の右室流出路再建に用いる人工血管▽放射線治療補助材(放射線治療のための体内植込み金属マーカー)‐‐の4技術。

 「脳血管外科用血管塞栓物質」の対象疾患・使用目的は、脳動静脈奇形に対する手術前処置としての血行遮断における血管塞栓材料で、米国ては2000年9月に承認されている。評価WGの報告書ではジョンソン・エンド・ジョンソン製品を評価した。脳動静脈奇形の頻度、臨床的重篤度から医療上のニーズは高いとし、米国で実施された臨床試験データの活用による早期導入の可能性を検討すべきと指摘した。

 「血管内液体塞栓物質」の対象疾患・使用目的は、胃静脈瘤に対する血管塞栓材料で、既に食道静脈瘤、胃底部静脈瘤の硬化療法における血管塞栓材料としてEU、豪、韓国、メキシコ等で承認されている。ビー・ブラウンエースクラップ製品を評価。欧州などでも胃底部静脈瘤のみ認可で米国では承認されていない点を指摘。その上で「胃静脈瘤」という適応範囲での安全性、有効性に関するデータが科学的に検証されているとは言い難いことから、導入するに当たっては臨床報告を活用しつつ、治験の実施を含め、検討する必要があると結論づけた。

 「小児の右室流出路再建に用いる人工血管」の対象疾患・使用目的は、先天性心疾患に対する修復手術における右室流出路形成ないし再建、自己肺動脈弁を用いた大動脈基部置換術(ロス手術)における右室流出路再建、ホモグラフトや弁付き人工血管を用いた右室流出路再建術後の弁機能不全に対する再手術における補填材料で、99年にEU、03年に米国で承認されている。メドトロニック製品を評価。「早期導入が重要と考えられる」とした上で、欧米に比べて体格が小さい患者が多い日本では、18歳未満という年齢枠の制限や患者の余命などについて総合的に判断する必要があると位置づけた。

 「放射線治療補助材」(放射線治療のための体内植込み金属マーカー)は、癌根治的放射線治療で、従来の放射線治療よりも照射位置の精度向上が図れている。対象疾患は前立腺癌、肺癌、肝癌、膵癌、食道癌、傍脊椎腫瘍、乳癌、子宮癌、腎臓癌、副腎癌、頭頸部腫瘍である。セティ・メデイカルラボ、東洋メデイック、オリンパスメディカルシステムズの製品を評価。疾患が重篤であり、有効性が高いことや代替品がなく、わが国での早期導入が必要な技術・材料と判断した。



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