エーザイは、今秋にも2品目を日本で承認申請する。一つは、抗体医薬「D2ED」(一般名:アダリムマブ)で、自己免疫性の皮膚疾患である乾癬の適応を9月に申請する予定。もう一つは抗肥満薬「KES524」(一般名:シブトラミン)で11月に申請する予定だ。
アダリムマブは、炎症に関わるTNF(腫瘍壊死因子)を抑える抗TNF”α抗体(注射剤)。他の抗体医薬と同様にマウスタンパクを用いているが、キメラ抗体ではなく、マウスタンパクを除いた「ヒト化抗体」。
今回申請する予定の乾癬の治験では、中等症から重症の患者169人に対し、40mg、80mg、プラセボを24週にわたり隔週の皮下投与で、プラセボを対照に有効性、安全性を比較し、評価した。
同剤は、米国では関節リウマチ(RA)の治療薬として米アボットにより「ヒューミラ」の名称で販売されており、日本でもRA適応では05年12月に申請されている。エーザイは乾癬に続き、09年9月には炎症を伴う重症の腸疾患であるクローン病の適応で申請する計画だ。
11月に申請を予定する抗肥満薬シブトラミンは、脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリン・セロトニンの再取り込みを阻害し、それら物質による伝達量を増やすことで満腹感を高め、結果としてエネルギーの摂取を減少させるカプセル剤。軽度の熱産生作用によりエネルギーの消費を促す作用も持ち、減少させた体重の維持にも効果があるという。
治験では、内臓脂肪が蓄積し、2型糖尿病や脂質代謝異常のある「肥満症患者」324人に対し、プラセボを対照として、1日10mgを52週にわたり投与し、体重の変化率、変化量を比較し、評価した。
米国では米アボットにより「メリディア」の名称で販売されている。
なお、両剤とも詳しい治験結果は明らかになっていない。