安全性試験受託の大手RCC(スイス)の親会社であるハーラン(米国)は、英国の安全性試験受託企業「セーフファームラボラトリーズ」(SPL)を買収した。買収により、ハーラン/RCCグループは、安全性試験CROとして世界第4位の規模になるという。SPLは化学物質に対する試験を主力としていることから、RCCによる前臨床試験という研究開発過程だけでなく、医薬品原体、中間体に対する試験、登録申請も含めた総合的なサービスを日本を含め提供できるようになるとしている。
買収は両社の合意によるもので、買収額は非開示。買収の狙いについてRCCジャパンは「グループのさらなる成長のため」と説明している。SPLをどういう形で統合するかは今後検討することになるという。
RCCは、スイス、独、スペイン、インド、カナダに続き、これまでラボがなかった英にも試験の拠点を構えることになり、登録申請コンサルティング事業でも、世界大手クラスの規模になる。各社売上高は公開していないが、社員数はRCCが世界で約1200人(グループでは約3000人)、SPLは400人弱とみられる。
ハーランは、実験動物、及びその飼料などの事業を展開、RCCは医薬品の前臨床試験、SPLは化学物質に対する試験を主力としており、各社それぞれがサービス領域を補完でき、結果としてサービスの幅が広がることになる。
SPLは日本では、メディアサービス(東京都中央区)を総代理店として事業展開している。この点についてRCCジャパンは、「当面は窓口を一本化せず、現状維持になるのではないか」としている。
RCCジャパンの安齋享征社長は、買収の背景について「CROビジネスは巨大化しており、大手の一角にあるRCCとしても対抗する必要があった」と説明している。