キリンホールディングスとキリンファーマ、テルモの3社は19日、新しい製剤による医薬品の創出などを行うため業務・資本提携した。両社がこれまで共同研究開発を進めてきたプレフィルドシリンジ製剤の製品化に向けた研究開発をさらに進めるほか、腎臓などの両社の得意領域、技術を融合し、医薬品・医療機器事業を強化するのが狙い。
3社は同日に基本契約を締結し、提携の基盤を整えた。提携に基づく新商品の発売のメドは現時点ではないといい、今後、合同の提携推進委員会で具体的な計画を詰める。
業務提携では、プレフィルドシリンジ製剤の研究開発・製造をさらに進めるほか、疾患部位に薬剤を届けるDDS技術の一つであるテルモのリポソームとキリンの持つ創薬シーズ・技術を融合することによる新しい医薬品の創出を目指した研究開発を検討する。また、両社の得意領域である腎臓領域での治療に向けた共同事業なども検討する。
これら業務提携を強化するため資本提携も行うことにした。07年12月末までにキリンファーマがテルモの発行済み株式の1・0%、テルモがキリンホールディングスの発行済み株式の0・6%を取得する。それぞれ取得額は100億円相当という。