日本製薬工業協会は11日、薬価制度改革の製薬協案を公表した。新薬の薬価は製薬会社が設定して届け出る「届出価格承認制」の導入と、特許期間中は基本的に薬価を引き下げない「エグゼンプト・ドラッグ(改定除外医薬品)」の設置が骨子。特許が切れ後発品が登場すれば、先発品の薬価を「一定幅」引き下げるなど、後発品の使用促進に配慮する考えも盛り込んだ。2010年度から開始し15年度に完了する中長期的な提案としている。
製薬協案は、▽新薬の薬価は、クラス分類に基づいて製薬企業が設定して届出を行い、新薬評価組織(仮称)の評価をもとに中医協で承認を得る▽特許期間中や再審査期間中の医薬品、希少疾病用医薬品などは薬価改定の対象から除外する▽特許失効後は、長期収載品としての適正価格に速やかに移行するため、後発品上市時の先発品価格を一定幅引き下げる▽15年度以降は年1回の薬価改定も考慮する――など。
製薬協は以前から「イノベーションに見合った薬価」の実現を提唱してきた。革新的な新薬への経済的な評価を高めることによって、国内製薬会社が新薬の研究開発に今以上に力を注げるようにし、国際的な製薬会社の研究開発競争に遅れをとらないような環境を整備するのが、今回の製薬協案の狙い。
特許期間中は手厚く失効後は厳しくとメリハリをつけ、医療費全体に占める薬剤費の割合が増えないよう制度を設計したという。