■JACDS、会員企業を調査
日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)は、2008年度に実施が予定されている「登録販売者試験」に向け、全会員企業に対して受験予定者数に関するアンケートを行っていたが、その結果がまとまった。それによると、08年度の受験者予定数は全国で3万2469人で、1店舗当たりでは2・88人となった。JACDSでは「受験希望者が多いために締め切るということがあっては、この制度が機能しない。行政には受験機会の確保を要請していきたい」とすると共に、「現在の営業を保つために、登録販売者は初年度3万人以上を合格させることが必要。受験対策支援など万全な体制でサポートしていきたい」(宗像守事務総長)としている。
09年度から施行される改正薬事法では、一般用医薬品販売時には、専門家(薬剤師または登録販売者)の常駐が義務づけられている。JACDSでは、登録販売者の受験体制づくりに向け、会員企業における受験予定者数を調査し、その対応を図っていくこととした。
アンケートは6月15日0今月5日にかけて、正会員企業を対象に実施した。168社(総店舗数で1万1267店)が回答し、回答率は91・8%。
その結果、明年度の受験予定者は3万2469人で、1店舗当たりでは2・88人となった。JACDSでは当初、3万400003万5000人に及ぶと予想しており、全会員企業を含めると、ほぼ想定通りになる模様だ。受験予定者は企業によって1人から数人まで、バラツキが見られたという。
厚生労働省の「薬事関係業態数調」では、05年度末における医薬品販売のための登録施設数は、薬局5万1233、一般販売業1万1377、薬種商販売業1万3197、配置販売業1万0247で、これらを合計すると8万6054となる。また、一般販売業と薬種商については合計2万4574店であり、これに今回の1店舗当たり2・88人を乗ずると、単純計算で約7万人強の資格者が、現在の営業を続けていくためには必要ということになる。
JACDSの宗像事務総長は、「初年度は全国で約8万010万人の受験者受け入れ体制が必要で、そのため試験会場、試験回数の確保など、各都道府県ごとに必ず受験の機会が確保されることが必要だ。受験体制の不備や、合格者の一定数の確保ができなければ、制度として機能せず、行政サイドの責任は重い」として、改めて行政に受験機会の確保を求めていくという。
また会員を対象とした登録販売者の受験対策支援としては、医薬品等に関するテキスト・問題集(10月頃の予定)、販売制度等に関するテキスト・問題集(明年2月頃を予定)を提供していくほか、来年からは実践型演習問題通信添削、受験直前対策講習会を開催する。また、全国の専門学校等と連携した受験講座も行っていく予定。