厚生労働省は6日、後発医薬品420品目を薬価基準へ追補収載した。後発医薬品を収載した企業数は73社であった。有効成分が初めて後発品として収載されたのは、抗アレルギー剤の塩酸セチリジン(先発品:ジルテック=ユーシービージャパン)や抗精神病薬のリスペリドン(リスパダール=ヤンセンファーマ)など、19成分49規格237品目に上った。また、新薬開発大手でジェネリック事業への参入意志を示していた田辺製薬が、今回6成分13品目を収載した。
収載の対象になったのは、3月15日以前に承認された後発医薬品で、算定に当たっては2006年2月15日付の保険局長通知が適用された。なお、今年度からは4月の中央社会保険医療協議会総会で了承されたのを受けて、後発品収載は11月にもう一度実施される予定になっている。
今回、メーカーから収載希望が提出されたのは439品目。しかし、市場性が見込めないなど、企業側の都合により16品目の申請が取り下げられたのに加え、告示不要(局方名収載など)が3品目あり、最終的には銘柄数で420品目の収載となった。
収載品目の剤形別内訳は、内用薬が280成分116規格280品目、注射薬26成分54規格92品目、外用薬15成分29規格48品目。なお、収載品目の中には代替新規が48品目含まれており、これを除く372品目が、実質的な後発品の収載品目数となる。
73社の中で収載品目が多かった上位5企業は、[1]沢井製薬(35品目)[2]大洋薬品工業(31品目)[3]メルク製薬(26品目)[4]東和薬品(22品目)[5]日医工(16品目)――で、有力後発品メーカーが顔を揃えた。一方で田辺製薬も6成分13品目を収載した。
最も収載品目数が多かったのは、塩酸セチリジンで28社・56品目。次いでリスペリドン14社・51品目で、どちらも新規成分。これ以外の新規成分の収載状況を見ると、制吐剤の塩酸グラニセトロン(カイトリル:中外製薬)が11社・20品目、喘息治療薬のプランルカスト(オノン:小野薬品)が15社・19品目、解毒剤のレボホリナート(アイソボリン:ワイス)が12社・18品目、抗パーキンソン剤のカベルゴリン(カバサール:ファイザー)が6社・12品目、抗生物質セフジトレンピボキシル(メイアクト:明治製菓)が6社・10品目などとなっている。
一方、今回の収載で、既収載品目と合わせて20品目を超えたのは塩酸テルビナフィン(ラミシール錠:ノバルティスファーマ)1成分のみであり、これについては既収載品の最低価格に、さらに0・9を乗じて価格算定された。