薬事食品衛生審議会の薬事分科会は、新医薬品の尖圭コンジローマ治療薬「ベセルナクリーム5%」、骨転移癌の疼痛緩和を適応とする国内初の放射性医薬品「メタストロン注」の2品目を審議、いずれも承認して差し支えないという結論に至った。このほか、2007年4月、5月に医薬品第一部会、第二部会で審議・了承された品目も報告された。これら新医薬品は今月下旬頃には正式に承認される見通しだ。
ベセルナクリーム5%(持田製薬が製造販売)は、有効成分がイミキモド。尖圭コンジローマを効能・効果とする新有効成分含有医薬品。既に、世界75カ国で承認されているが、刺激性が強く、取り扱いに注意が必要なため、承認の際には患者用の説明文書をつけるよう指示される見通し。再審査期間は8年。原体が毒薬に指定される予定。
メタストロン注の有効成分は塩化ストロンチウム(89Sr)で、効能・効果は「固形癌患者における骨シンチグラフィで陽性像を呈する骨転移部位の疼痛緩和」。ストロンチウムが癌の骨転移部に集積し、放出されるβ線が痛みを緩和するとされる。モルヒネなどの既存薬では痛みが取れない患者に投与する。治験症例数が少ないことから、一定期間、全例調査を実施することが承認条件として付される。なお、再審査期間は8年で製剤、原体とも劇薬に指定される見通し。
■8成分を報告
このほか、報告された品目は次の通り。
◇セララ錠25mg、同50mg、同100mg(ファイザーが輸入):成分名はエプレレノン。高血圧症を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。毒劇薬に該当しない。
◇トピナ、トピナ錠50mg、同100mg(協和発酵が輸入・製造):成分名はトピラマート。抗てんかん薬で、他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。毒劇薬には該当しない。
◇エスラックス静注1%(日本オルガノンが輸入):成分名はロクロニウム臭化物。麻酔時の筋弛緩、気管挿管時の筋弛緩を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。原体、製剤ともに毒薬に指定する予定。
◇トラバタンズ点眼液0・004%(日本アルコンが輸入):成分名はトラボプロスト。緑内障、高眼圧症を効能・効果とする。再審査期間は8年。原体のみ劇薬に指定。
◇シアリス錠5mg、同10mg、同20mg(日本イーライリリーが製造販売):成分名はタダラフィル。勃起不全を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。バイアグラ、レビトラに続く三つ目。他の2剤に比べて半減期が長いことや、食事の影響を受けにくい特徴がある。再審査期間は8年。原体のみ劇薬に指定。
◇ジェニナック錠200mg(富山化学が製造販売):成分名はメシル酸ガレノキサシン水和物。咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間は8年。原体は劇薬に指定される予定。
◇シングレア細粒4mg(万有製薬が輸入)、キプレス細粒4mg(杏林製薬が輸入):成分名はモンテルカストナトリウム。1歳以上6歳未満の気管支喘息に対する用量追加と細粒剤の剤形追加。再審査期間は4年。原体・製剤とも毒劇薬の指定はなし。
◇ディビゲル1mg(ポーラファルマが輸入):成分名はエストラジオール。更年期障害および卵巣欠落症状に伴う血管運動神経症状(Hot flushおよび発汗)を効能・効果とするゲル剤の新剤形医薬品。再審査期間は4年。原体・製剤ともに毒劇薬の指定はなし。