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ライオンは、日本、アジア・オセアニア地域で(中国など一部除く)の解熱鎮痛薬「バファリン」ブランドを、米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)から取得すると発表した。取得額は304億円。今までBMS側の了解がないと独自のブランド展開ができなかったが、今回、ブランドを自らのものにすることで、独自の商品展開など国内外での「バファリン」ブランドによる事業を強化できるようになる。
両社は今日29日に、バファリンの商標権譲受の契約を締結。これに伴い、マーケティング、宣伝を担当してきたBMS日本法人とライオンの合弁会社「ブリストルマイヤーズ・ライオン」を解散することで合意した。いずれも7月末に実施する。アジアを含めた一般薬などの事業強化を進めるライオンと、医療用薬への集中化を図るBMS社との思惑が一致したもの。
商標権の取得でライオンは、[1]国内市場で「バファリン」など既存の製品を活用した当社独自の事業戦略の展開によって、さらなる成長とブランド価値向上が可能となる[2]合弁会社の事業領域であった製品分野に、当社として参入が可能になる[3]アジア・オセアニア市場に対し「バファリン」ブランドなどによる新たな事業拡大が可能となる[4]合弁事業を内部化することにより、今後収益力が改善される――としている。
ライオンによると、今後の新商品など具体的には決まっていないが、独自の商品展開ができるようになるほか、合弁会社で計上していた営業利益を年50億円を全て計上できるようになる。
今回の契約の対象地域は、日本、韓国、タイ、マレーシア、インドネシア、香港、マカオ、シンガポール、ブルネイ、カンボジア、ベトナム、インド、バングラデシュ、パキスタン、スリランカ、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー。
ライオンは、1962年にブリストル・マイヤーズ(現BMS)から技術・商標権契約を締結し、「バファリン」を発売。その後、合弁会社を設立し、「バファリン」ブランドを中心とした事業の拡大を進めてきていた。医療用薬の「バファリン」は、製造販売はライオン、販売はBMS日本法人と現行通り。