医薬工業協議会は、トルコで開催された「第13回ヨーロッパジェネリック医薬品協会(EGA)年次総会」に初めて参加した。総会では、欧州主要国からジェネリック(GE)薬の使用推進策が報告された。
IGPA(世界ジェネリック医薬品協会)対応委員会の陸寿一委員長(沢井製薬研究開発本部理事)によると、総会では欧州当局、製薬業界に影響力を持つベルギーのスティーブン・シモンズ氏(ルーベン・カトリック大学教授)が、昨年のEGAで発表したGE使用促進への七つ提言に基づいて、各国から使用促進策の実施状況が報告された。
七つの提言は、[1]供給側と利用者側の整合性のある政策の導入[2]現薬事制度下での価格格差、価格競争の促進[3]GEの安さが分かるようにするなど利害関係者への価格情報の普及[4]GEの信頼性を強化する行政当局による積極的なPR[5]医師のGE処方に対するインセンティブ付与[6]薬剤師がGEを調剤した場合の経済的不利益の排除[7]患者がジェネリックを希望した場合のインセンティブの付与――からなる。
陸氏によると、独では参照価格より30%以上安価な薬剤については患者自己負担の免除ができる仕組みを導入。メーカーと疾病金庫(健保組合に相当)との契約品目は患者負担免除または半額という。卸マージンも価格が安い薬剤は、高い薬剤に比べ手厚くしているのだという。薬局マージンは定率3%に8.1ユーロを上乗せする仕組みという。
仏では、医療保険金庫連合と薬局協会との代替調剤協定により、30成分の代替率を75%に設定。卸マージン、薬局マージンも独に似た仕組みを導入したという。
伊では当局がGEが信頼できるものであることをPRするポスターを作成したという。
医薬協は当初、EGA総会への出席は予定していなかったが、11月のIGPA総会で、医薬協のIGPAへの正式加盟が議題となることから、EGA事務局長から日本の状況を説明して欲しいという要請があって参加となったとしている。