■試験の免除規定は設けず
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厚生労働省の「登録販売者試験実施ガイドライン作成検討会」(座長:井村伸正北里大学名誉教授)は27日、報告書を取りまとめた。焦点となっていた受験資格については、「実務経験を1年」とすることになったほか、試験の免除規定については設けず、薬学部6年制課程の卒業生に関しては実務経験を免除することとされた。これを受け厚労省は、この報告書に沿ったガイドラインを作成し、都道府県に通知するほか、今秋には省令改正など所定の手続きを行い、新制度を来年4月から施行する。
■新制度、来年4月施行
検討会の報告書は、▽試験実施の方法▽試験問題数、試験時間及び合格基準▽その他(受験資格、試験を免除する者など)――などで構成される。
前回の会合までに、試験実施方法は筆記試験で行うことや、実施回数は原則年1回以上とすること、試験項目としては、▽医薬品に共通する特性と基本的知識▽人体の働きと医薬品▽主な医薬品とその作用▽薬事関連法規・制度▽医薬品の適正使用・安全対策――の5項目とすることで合意が得られていた。
ただ、受験資格については、実務経験を要件に加えるかどうかなど、いくつかの課題が残されていた。報告書では、前回の関係業界からの意見聴取を踏まえ、登録販売者試験の受験者は、専門家である薬剤師や登録販売者の管理・指導のもと、実務経験を積み、実践的な資質を身につけておくことが大切なことを挙げ、受験資格は「実務経験1年」とすることが適当とした。
合格基準についても7割程度の正答率を求めると共に、試験項目で一定割合以上の正答率が必要なことや、薬物乱用など公衆衛生上危害を及ぼす恐れがある設問は、合格基準とは別に正答しなければならないことなども、検討することが望ましいとした。
一方、試験を免除する者については、最終的に例外を設けず、都道府県が実施する試験により、資質を確認することが適当とされ、6年課程の薬学部卒業生も試験免除はされないことになった。ただ、教育内容に実務実習が含まれているので、実務経験は求めないことにした。
報告書が了承されたのを受けて、同省では策定中の試験の手引きや例題と共に、同報告書を各都道府県に配布する一方、報告書に沿った形でガイドラインの策定作業を進める方針。また、秋には省令改正を行った上で、新制度を来年4月から施行する考えだ。