武田薬品は8日、米ルイジアナ州西部連邦裁判所で係争中の2型糖尿病治療薬「アクトス」の製造物責任訴訟で、リスク周知が不十分だったために副作用で膀胱癌になったとする原告の主張を認める陪審評決があったと発表した。補償金147万5000ドル(約1億5045万円)に加えて、懲罰金として武田に60億ドル(約6123億円)、2006年まで共同プロモーションしていた米イーライリリーに30億ドル(約3062億円)の支払い義務が認定された。製薬業界では世界的にも異例の損害賠償額だが、判決で覆える可能性もある。
アクトスをめぐっては、雄ラットでの膀胱癌リスクが確認されており、99年の発売当初から添付文書に記載してきた。ヒトでのリスクについては、米国で実施している疫学研究「KPNC試験」の中間解析で、主要評価項目では統計学的なリスク差がなかったものの、治療期間が長いとリスクが上昇する傾向が認められ、現在も観察が続いている。
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