健康保険組合連合会が発表した健保組合の2007年度予算早期集計によると、経常収支は約2407億円の赤字、06年度も1088億円の赤字で、2年連続の赤字となった。赤字の要因について対馬忠明専務理事は、「老健拠出金の増加、退職拠出金の大幅な増加など、拠出金の増加に尽きる」と述べた。赤字組合の割合が昨年度予算よりも増加し、全体の約7割にのぼっている。また、被保険者1人当たりの保険料は37万9488円で、昨年度予算より863円の増加となっている。
収入面をみると、収入総額は6兆0441億円で昨年度より1847億円(3.15%)増。支出は法定給付費が3兆2505億円で734億円(2.24%)増となる。また拠出金は、老人保健拠出金が1兆1826億円で220億円(1.9%)増であるのに対して、退職者拠出金が1兆1473億円で2031億円(21.5%)の大幅な増加となり、全体では2兆3301億円で、昨年度より2250億円(10.69%)の増加となっている。退職者給付拠出金が大幅に増加したことで、老人保健拠出金と退職者給付拠出金が、ほぼ同額となってきている。
07年度当初の組合数は1516組合で、昨年度より32組合減少した。ピーク時であった92年度の1827組合と比較すると311組合が減少している。解散組合数は00年度以降で180組合にのぼっている。経常収支赤字組合数は、1056組合で昨年度より166組合増加し、02年度以来5年ぶりに1000組合を超えた。全組合に対する割合は69.7%で、昨年度の57.5%から12.2ポイント増加しており、全体の7割に迫る数。一方の黒字組合は460組合で昨年度よりも198組合減少している。
対馬専務は、「03年度以降、小康状態が続いてきたが、07年度は様変わりした。大変に厳しい状況である」との認識を示した。08年度以降については、「厚労省の試算では、08年度は新しい高齢者医療制度等により、後期高齢者の支援金や前期高齢者に対する調整金などので、健保組合全体で約1100億円の負担増になる。特定健診・保健指導の義務化等もある。健保組合にとって、いよいよ厳しい状況になると思っている」と話した。