薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会は21日、未承認薬使用問題検討会議で取り上げられ、優先審査の対象となった悪性神経膠腫治療薬の「テモゾロミド」など、審議品目2成分について、承認して差し支えないと結論した。薬事分科会に報告する。
〈審議品目〉
◇ブスルフェクス点滴静注用60mg(麒麟麦酒が輸入):有効成分はブスルファン。同種造血幹細胞移植の前治療を効能・効果とする新投与経路医薬品。希少疾病医薬品に指定されており、再審査期間は10年。原体・製剤とも劇薬に指定される予定。
慢性白血病、真性多血症の治療薬として、以前から経口薬として承認されていた。承認に当たっては、幹細胞移植患者が少ないことから、市販後の全例調査が承認条件となった。
◇デモダールカプセル20mg、同100mg(シェリング・プラウが製造販売):有効成分はデモゾロミド。悪性神経膠腫を効能・効果とする新有効成分医薬品。再審査期間は10年で、製剤・原体とも毒薬に指定される予定。
同医薬品は、昨年7月の未承認薬使用問題検討会で早期治験が求められ、優先審査品目と指定されていた。この時、国内では既に形成性星細胞腫に対する第II相試験が終了していたことから、検討会議では、この結果と膠芽腫に対する海外での治験結果等を合わせて、早急な承認申請を図ると共に、放射線との併用による安全性確認試験の実施が必要とした。
承認に当たっては、放射性併用で2次発癌の可能性が指摘されていることから、市販後の全例調査が承認条件となった。
〈報告品目〉
◇ファイバ(バクスターが輸入):有効成分は乾燥人凝固因子抗体迂回活性複合体。「血液凝固第?因子または第?因子インヒビターを保有する患者に対し、血液中の血液凝固活性を補いその出血を抑制する」の効能・効果の追加。
また同部会では、エイズ関連カポジ肉腫を効能・効果とする「塩酸ドキソルビシンリポソーム注射剤」(申請者:ヤンセンファーマ)を希少疾病医薬品に指定することが報告された。日本では、エイズ関連カポジ肉腫は2004年に日本国籍14件、外国国籍3件で、00年以降5年間の報告件数は1年当たり日本国籍4014件、外国国籍003件で推移している。