サンスターは19日、科研製薬が全世界でライセンスを持つ組織の形成に関与する細胞成長因子bFGF(塩基性線維芽細胞成長因子)の歯科領域での欧米における開発権、販売権を獲得したと発表した。サンスターは経営機能の中核をスイスに移すことを決めるなどグローバル戦略を強化してきており、ライセンス契約もその取り組みの一環。具体的な開発計画は明かしていないが、医療用の薬剤や機器を手がけるとし、上市は早くて2011年頃になるという。
科研とサンスターは18日にライセンス契約を締結した。オーラルケアを軸に展開するサンスターは、歯科医療用薬剤、機器なども扱い、bFGFについては「再生医療への応用可能性があるものとして注目していた」という。bGFGの国際展開を狙っていた科研としては、「いくつかの企業と交渉したが、具体性と熱意を評価した」としている。
bFGFの開発をいつからどこで、どの程度の費用を投入し、どんな製品に応用するかという具体的な計画は明かしていないが、サンスターでは歯科領域の豊富な経験と、科研から提供を受けるデータやノウハウを生かし、製品開発、販売を欧米で実施する方針だ。
科研は2001年に、bGFGを用いた創傷治癒促剤「フィブラストスプレー」を商品化。歯周病や骨折の治療薬として、日本で開発を進めている。今回の導出は、科研がbFGF製剤の全世界でのライセンスを取得して以来、第1号となった。契約に伴いマイルストン、ロイヤリティーを受け取るが、金額は開示していない。