旭化成メディカルは、主要領域の一つである血液浄化治療(アフェレシス)技術を普及させるため、東京千代田区にある千代田ファーストビル東館内に、「アフェレシス・テクノロジー・スクエア(Aスクエア)」を7月2日に開設する。Aスクエアでは、血液浄化治療関連の最新技術や製品情報が提供されるほか、実際の装置システムを使って、治療技術のトライアルや手技習得のトレーニングをすることができる。同社では今後、医療従事者との交流をもとに、現場のニーズに対応した新製品の開発などを進めていくことにしている。
血液浄化療法は、血液を体外循環により血漿分離用フィルターに通し、分離した血漿を交換するか、血漿中の疾患原因物質を除去した後に再び体内に戻す治療法。活性化白血球や血小板などを除去することで、関節リウマチなど自己免疫疾患の症状改善で有用性が認められている。
Aスクエアでは、医師や看護師、臨床工学技士などを対象に、そうしたアフェレシスの基礎原理から穿刺などの手技、機器の管理など実戦的な訓練を実施することにしている。また、治療法に応じたカリキュラムを準備し、医療従事者の要望に応じて医療施設内での派遣トレーニングにも対応していくという。受講費用などは未定。
同社では、Aスクエアを医療従事者との技術交流の中核拠点と位置づけ、医療従事者との交流を通して、現場のニーズを反映した技術改良や、より治療効果の高い新製品の開発を進めていく考えだ。国内、中国などのアジア諸国への拠点拡大も視野に入れている。
今年度から施行されている改正医療法では、医療機器の安全性向上のための継続的研修が義務化されていることなどから、医療従事者が医療機器の関連技術や製品情報の入手、機器の使用法などを訓練できる施設の必要性が高まっており、Aスクエアもその一環として活用が進みそうだ。