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【2014年年頭所感】2つの薬事法改正、円滑施行‐厚労省医薬食品局長

2014年01月08日 (水)

厚生労働省医薬食品局長 今別府敏雄

今別府敏雄氏

 昨年11月27日に公布された薬事法改正は、まず、安全対策を強化するため添付文書の届け出義務を創設し、併せて、医療機器の登録認証機関による認証範囲の拡大、再生医療等製品の安全で迅速な実用化のための条件・期限付承認制度の創設等を行うものです。2006年以来の抜本的な改正であり、旧薬事法以来の60年の歴史のある「薬事法」の名称も「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」となります。施行は、法律の公布後1年以内とされ、今年秋頃を予定していますが、自治体や関係団体と調整し、円滑な施行に万全を期してまいります。

 次に、昨年12月13日に公布された薬事法改正は、日本再興戦略を踏まえ、消費者の安全性を確保した適切なルールの下での一般薬のインターネット販売の仕組みを整備すると共に、指定薬物の所持・使用等に対し罰則を新設したものです。

 インターネット販売のルールについて、法律に明確に根拠を置くと共に、スイッチ直後品目と劇薬について、医学・薬学の専門家の意見を踏まえ、薬剤師が対面で使用者本人の状態等を判断した上で販売することとしています。医療用医薬品についても、不適正な使用による健康被害の発生を防止するため、医師と薬剤師がそれぞれの専門性を生かし、協働して患者を診る必要があり、現在も薬剤師が対面で販売する仕組みとしていますが、その根拠を法律に規定しました。法律の施行は、公布後6カ月以内とされ、自治体等とも十分に調整しながら、万全の体制で施行できるよう、取り組んでまいります。

 薬物乱用防止対策については、指定薬物の所持・使用等を禁止する法律改正に加え、昨年10月に麻薬取締官に調査権限を付与するなど取り締まり体制を強化しました。引き続き、覚醒剤や麻薬、大麻などの薬物の乱用防止、啓発活動の推進、薬物密売組織や末端の乱用者の取り締まりを徹底してまいります。

 改正法による対応のほか、「日本再興戦略」を踏まえ、革新的な製品を世界に先駆けて実用化していくため、審査の迅速化と質の向上を実現するための体制の整備を図ってまいります。医薬品医療機器総合機構では、昨年10月に関西支部(大阪市)と薬事戦略相談連携センター(神戸市)を開設し、日本発のシーズの実用化に向けた薬事戦略相談を拡充しましたが、今年4月からは関西支部で製造・品質管理の実地調査もできる体制を整えます。

 「日本再興戦略」では、薬局・薬剤師について、セルフメディケーションの推進の観点から、地域に密着した健康情報の拠点としての活用の促進が盛り込まれています。在宅医療や地域包括ケアの分野で、医師、看護師等と連携して、かかりつけの薬剤師としての機能の発揮が期待されており、国民の健康を守るため、大いに活躍いただきたいと思います。


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