「ユニタルク胸膜腔内注入用懸濁剤4mg」(一般名:タルク)は、粒子径を調整し、滅菌したタルク製剤で、悪性胸水の胸膜癒着剤として使用する。厚生労働省から開発要請を受け、日本医師会治験促進センターの事業として実施された医師主導国内第II相試験成績を活用して同社が申請し、9月に承認取得した。
悪性胸水で胸水が増加すると呼吸困難、胸痛、咳嗽などによってQOLが著しく低下する。症状緩和のために胸水を抜く処置を行うが、通常は排液後に胸膜癒着術を実施する。欧米では既に滅菌調整タルク製剤が胸膜癒着剤として悪性胸水の標準治療薬となっているが、国内では未承認だった。
日局生理食塩液50mLで同剤4gを懸濁して胸膜腔内に注入し、胸膜に炎症を惹起することによって、臓側胸膜と壁側胸膜が癒着して胸水の貯留スペースを消失させ、胸水の再貯留を抑制する。