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グラクソ・スミスクラインは8日、二つの世界的な新薬を日本で発売した。一つは、突然死の原因にもなる静脈血栓塞栓症を予防する「アリクストラ」(一般名:フォンダパリヌクス)。もう一つは、抗炎症作用を持つ吸入ステロイド薬であるフルチカゾンと、長時間にわたり気管支を拡張させるB2受容体刺激薬であるサルメテロールを配合した喘息治療薬「アドエア」
アリクストラは欧米など65カ国で承認、アドエアは120カ国以上で使用され、著名な診療ガイドラインにも位置づけられている。
アリクストラは注射剤。昨年11月に申請され、2月には優先審査品目に指定されていた。国内の学会などからも静脈血栓塞栓症の予防薬を早く承認するよう求められていた。
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二つの規格が発売され、1・5mg1筒2200円、2・5mg1筒1581円。適応は「下肢整形外科手術患者における静脈血栓塞栓症の抑制」 下肢整形外科手術は静脈血栓塞栓症を引き起こすリスクレベルの高いものとして位置づけられている。静脈血栓塞栓症患者の3分の2は、既往歴を含めて具体的な症状がないとされているが、一旦発症すると、呼吸が苦しいなどの症状が起きてから1時間以内に亡くなる突然死の原因にもなっている。全死亡例の4割が症状発現から1時間以内だったとのデータもある。
アリクストラは、通常2・5mgを1日1回皮下投与する。腎障害のある患者には1・5mgに減量する。治験ではプラセボに比べ発症を75%以上予防した。懸念される重大な出血はなかったという。売り上げ見込みは初年度10億円、ピークの10年目が51億円。
アドエアは、専用キットによる吸入剤。1剤で炎症抑制と気管支拡張の二つの効果が得られる。3規格が揃えられ、軽度から重度の患者まで1剤で症状コントロールができるのも特徴。
薬価は100ディスカスが3066・00円(1キット)、250ディスカス3575・60円(同)、同500ディスカス4113・20円(同)。通常100ディスカス(サルメテロール50μg、フルチカゾン100μg)を1日2回吸入する。売り上げ見込みは、初年度が30億円、ピーク時の7年目が415億円。世界では33億ポンドも売られている。