病院経営に大きな影響を及ぼしている患者の治療費未払いについて、4病院団体協議会(日本病院会、全日本病院協会、日本医療法人協会、日本精神科病院協会)は調査結果をまとめた。それによると、加盟病院の未収金額は、1年間で約373億円にも上ることが明らかになった。調査結果は、厚生労働省「医療機関の未収金問題に関する検討会」で報告されたもので、水田邦雄保険局長は「未収金額は大きく、医療機関の健全な経営を圧迫している」と懸念を示し、解決に向けて具体的に検討すると述べた。
調査は、4病院団体協議会に加盟する5570病院(有効回答数3272)を対象に行われた。その結果、2004年4月005年3月に未収金があった施設は3058施設(93.5%)で、合計金額は約218億9413万円、1施設当たりでは約716万円に上っていた。これらを5570病院で推計すると、1年の累積総額は373億円になる。
総額別では、累計1年で100万円未満の施設が32.2%、次いで100万円台が14.2%、200万円台が9.3%、500万円未満が66.9%だった。未収金1000万円以上の施設も15.5%と相当数あった。
保健別内訳では、▽国民健康保険「入院」は約71億円▽自費「入院」は約39億円、「外来」は約14億円””の順に未収金額が高くなっている。
検討会では、患者自己負担の1割から3割への増加などに伴い未収金が肥大していることや、特に高額になる救急医療やHIV治療、産科で未収金が多いなどが指摘された。
今後、国立病院機構の146病院に対する調査も行い、問題点や解決策を探ることにしている。