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【第46回日薬学術大会】薬剤師の新たな使命~120年の歴史を踏まえて~‐大会実行委員長・藤垣氏に聞く

2013年09月17日 (火)

第46回日本薬剤師会学術大会

 22、23日 グランキューブ大阪(大阪国際会議場)

 大会実行委員長 藤垣哲彦氏(大阪府薬剤師会会長)に聞く

大会実行委員長 藤垣哲彦氏(大阪府薬剤師会会長)

大会実行委員長 藤垣哲彦氏(大阪府薬剤師会会長)

 第46回日本薬剤師会学術大会(日薬120周年記念大阪大会)が「薬剤師の新たな使命~120年の歴史を踏まえて~」をテーマに22、23の両日、大阪市のグランキューブ大阪をメイン会場に開催される。今年の年会は、日本薬剤師会創立120周年に相応しいテーマが目白押しで、各セッションではその歴史を踏まえながら薬剤師の新たな使命が展望される。新世紀の幕開けの年となる2000年に引き続いて節目の年の大阪開催を引き受けた大会実行委員長の藤垣哲彦氏(大阪府薬剤師会会長)は、「昨今のチーム医療の議論の中で、薬剤師がやらねばならない新しい職能がたくさん見えてきた」と職能拡大に向けて意を強くする。大会の大きな目玉として初めての学会共催シンポジウムを企画し、一般演題は、口頭発表211題、ポスター発表416題の合計627題を採択。参加者は1万5000人を見込んでおり、査読開始後の一般演題数、参加者数ともに史上最高の大会となる。藤垣氏に学術大会の見どころ・聞きどころを聞いた。

職能拡大への想いを込め‐国民の期待に応える薬剤師目指す

 ――まず、今回の学術大会開催地が大阪になった経緯からお聞かせください。

 今年は、日本薬剤師会創立120周年を迎えるということで、3年前に開かれた全国会長会で日
薬学術大会の大阪開催が打診されました。早速、大阪へ持ち帰って理事会に諮ったところ、「お受けしましょう」という結論になり、大阪開催が決定しました。当地での日薬学術大会は、「新世紀における薬剤師の使命~2000年大阪より発進~」をテーマに開催した00年の大会以来、13年ぶりの開催となります。今回、苦労した点としては会場の準備でした。3年前の時点で、既に大阪市内には10月に学術大会を開催できる規模の会場が詰まっていました。通常10月開催の日薬学術大会ですが、9月開催となったことで、日本医療薬学会とも重なってしまいましたし、九州山口薬剤師学術大会には日程を変更いただくなど、関係の皆様には大変ご迷惑をおかけしましたこと、紙面をお借りして改めてお詫びいたします。

 ――メインテーマには、どのような狙いがありますか。

メイン会場となるグランキューブ大阪

メイン会場となるグランキューブ大阪

 前回の00年に開催した大阪大会のメインテーマも、“薬剤師の使命”という言葉を使っています。その後、超高齢社会の到来、医薬品のインターネット販売問題、社会問題となっている薬物乱用、ドーピング問題など薬にまつわる様々な課題が山積する中、薬剤師に対する社会の要請は確実に高まりつつあります。6年制の薬剤師が誕生して2年目を迎えましが、近年のチーム医療や在宅医療の議論の中で、薬剤師がやらねばならない新しい職能がかなりはっきりと見えてきました。

 そこで、今回のメインテーマは、前回の大阪での大会コンセプトを踏襲しつつ、“「薬」のあるところに薬剤師あり”の精神のもと、薬剤師の職能拡大への想いを込めまして「薬剤師の新たな使命~120年の歴史を踏まえて~」としました。日薬は、創立120周年を迎えましたが、その間、いく多の困難を乗り越えてこられた先輩薬剤師の足跡を踏まえ、国民の期待に応えられる薬剤師を目指すことが、薬剤師の新たな使命であると確信しています。

分科会は様々なテーマ網羅‐将来ビジョン受けての講演も

 ――大会記念講演や特別記念講演、特別講演の内容について教えてください。

 大会記念講演は、大阪が誇る世界的建築家の安藤忠雄先生が、「人生100年―人を元気にする」をテーマにご講演されます。先生は、独学で建築を学ばれ、1979年に「住吉長屋」で日本建築学会賞受賞後、独自の建築表現を確立して様々な賞を受賞されており、世界的な評価を得られています。

 「人を元気にする」のが先生のモットーで、現在、東日本大震災の復興支援など建築家の枠組みを超えて日本社会の再生に取り組んでおられます。バイタリティの高いご講演によって、薬剤師を元気にしてくださるものと期待しています。

 特別記念講演は、大阪大学大学院医学系研究科心臓血管外科教授の澤芳樹先生にお願いしました。澤先生は、心臓外科のスペシャリストで多くのバイパス手術や心臓移植を手がけられています。近年、iPS細胞から作成した心筋シートを活用した研究に取り組まれていますので、薬剤師の先生方にもぜひ心臓再生医療の先端のお話を聞いていただきたいと思います。

 特別講演は、日本医師会常任理事の鈴木邦彦先生が、医薬分業のあり方と地域包括ケアシステムにおける連携について話されます。また、府民公開講演では、金美齢さんに「凜とした生き方」について語っていただきます。金さんは、地元大阪ではテレビでもなじみの方で、大阪府民の方々にも喜んでいただけると思います。現在、薬局店頭貼り付け用のポスターを作成、配布して薬局店頭などで、府民向けにアピールしています。

 ――19テーマにも上るたくさんの分科会が企画されていますね。

 会場も広い場所を使用しますので、分科会はできるだけ様々なテーマを網羅したいと考えました。地方の大会では、会場スペースの関係で取り上げることができなかったテーマも、ほぼ取り上げることができました。「地域で向き合う認知症」や、「臨床・疫学研究への取り組み」「薬剤師の新たな使命」などは、これまでの学術大会ではあまり見られなかったテーマです。「薬剤師の新たな使命」のセッションでは、既に示された薬剤師の将来ビジョンを受けての講演や、これからのフィジカルアセスメント、薬害など、かなり幅広いテーマを取り入れています。


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