日本製薬工業協会がまとめた東証一部上場の製薬協加盟28社の2006年度決算概況によると、業界平均6.7%の薬価改定や事業譲渡、販売移管などマイナスとなった国内市場を、大手企業の海外での伸びでカバーし、前年度より売上高は3.7%増の6兆5695億円、営業利益は2.0%増の1兆3375億円だった。
増収は21社、減収は7社。国内売上高は2.0%減に対し、海外売上高は4.0%増となった。
売上高1000億円以上の上位14社は、国内2.7%減に対し、海外18.4%増と、海外売り上げで成長を図っている。円安も引き上げに作用しているとみられるが、海外売上高比率は、上位14社で4.3ポイント増の36.0%となった。
それ以外の会社は、海外販売網を持つところも少ないため、海外5.9%減、国内1.7%増と、薬価改定が実施された中でも主力品の伸びでカバーしたことがうかがえる結果となった。
営業利益は増益13社、減益15社。下位14社には減益が8社ある。上位14社が2.5%増だったのに対し、それ以外の14社は7.7%減となった。下位社がマイナスとなったのは、薬価改定の影響が主な要因とみられる。
研究開発費は、全体で10.4%増の1兆0298億円。上位14社は11.5%増に対し、それ以外の社は0.9%減だった。
07年度予想は、海外売上高の続伸に加え、国内主力品の増収も期待できるとして、3.2%の増収、当期利益は11.4%増益となっている。
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