理化学研究所発生・再生科学総合研究センターで網膜再生医療研究開発プロジェクトのリーダーを務める高橋政代氏は5日、都内で講演し、日本で初めてとなるiPS細胞を用いた臨床研究の取り組みを紹介した。8月から加齢黄斑変性(AMD)を対象に、自家網膜色素上皮シートを移植する試みをスタートしたが、2015年頃には他家移植の医師主導治験も手がける計画だ。
高橋氏らは、iPS細胞から網膜色素上皮細胞と視細胞を作ることに成功。特に網膜色素上皮細胞は、腫瘍形成の危険のある細胞が混在しないこと、治療に必要な細胞数が少ないこと、細胞移植後も直接眼底を観察できるため、万が一腫瘍形成などが起こってもレーザー光凝固など治療可能で安全確保が容易なことなどの条件から、iPS細胞由来の網膜色素上皮細胞の自家シート移植により、iPS細胞を用いた臨床研究を実施することにした。
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