イノベーション25戦略会議(座長:黒川清内閣特別顧問)は25日、長期戦略指針「イノベーション25」の最終案をまとめた。目指すべき2025年の日本の姿の一つとして「生涯健康な社会」を掲げ、社会還元プロジェクトとして来年度から再生医療に取り組む方針が決まった。分野別の研究開発としては、治験を含む臨床研究・臨床への橋渡し研究の推進や、革新的癌医療技術開発などが挙がっている。
最終案は2月の中間とりまとめに基本的に準じたもので、目指す社会像として▽生涯健康な社会▽安心・安全な社会▽多様な人生を送れる社会▽世界的課題解決に貢献する社会▽世界に開かれた社会――の五つを掲げ、その実現のための政策ロードマップを打ち出している。
この中で、来年度からの実施を目指す社会還元プロジェクトとして、「生涯健康な社会」の実現に向けて「失われた人体機能を補助・再生する医療の実現」、また「多様な人生を送れる社会」に向けた「高齢者・有病者・障害者への先進的な在宅医療・介護の実現」を挙げた。
さらに、ロードマップ中の「分野別の戦略的な研究開発の推進」では、臨床研究・臨床への橋渡し研究として、▽治験を含む新規医療開発型の臨床研究▽生活環境・習慣と遺伝の相互関係に基づいた疾患解明及び予防から創薬までの研究開発▽癌・免疫・アレルギー疾患、生活習慣病、骨関節疾患、腎疾患、膵臓疾患等の予防・診断・治療の研究開発””などが盛り込まれている。
「生涯健康な社会」で中長期的に取り組む課題としては、▽遠隔医療への処方せんの発行など、情報通信技術の進展に伴う社会制度の整備▽治療重点から予防・健康増進を重視する保健医療体系への転換▽再生医療等の医療技術発展に伴う、生命倫理・安全性と医療技術促進政策の調和””の3点が挙げられている。
- 【イノベーション25】中間報告まとめる
2007年03月01日
- イノベーション意見募集で385件のアイディア
2007年01月17日
- 【内閣府】「イノベーション25特命室」を設置
2006年10月06日