改正薬事法で製造・輸入・販売が禁止された違法ドラッグの乱用実態把握に向け、厚生労働省医薬食品局監視指導・麻薬対策課は、秋に初の全国調査を実施する。10020代の若年層を対象に、少なくとも1万人以上の規模で行う。併せて、全国の精神科を有する病院(約1700施設)に対しても、中毒患者の乱用薬物を調査する。
4月施行の改正薬事法では、32種の指定薬物(違法ドラッグ)について、医療等の用途以外での製造・輸入・販売・授与・陳列等を禁じている。これを踏まえ厚労省は、今年度予算に違法ドラッグ対策費1440万円を計上し、指定薬物の成分分析や監視・啓発活動と共に、乱用実態の調査を予定していた。
調査は10020代を中心に、▽違法ドラッグの捉え方▽使用経験▽入手ルート――などを聞く。また病院の精神科に対しては、中毒患者の薬物名を挙げてもらう。これらを通じて、違法ドラッグの実態を把握する考えだ。
違法ドラッグについては、2006年度に大学生の調査があるが、全国規模の調査は初めて。同課では、「麻薬と混同している例が多く、正確な実態把握に向けて、調査方法を検討する必要がある」と課題を挙げている。