森下仁丹は5日、今月11日に迎える創業120周年を記念し、長年親しまれた「梅仁丹」(医薬部外品)を復刻し、新商品「梅仁丹120」(清涼菓子)と共に、11種のハーブエキスを配合した「梅仁丹120のど飴」の2品目を、全国の駅売店やドラッグストアで発売することを発表した。また現在、通信販売専用で詰替用を販売している銀粒の「仁丹」も、11日からドラッグストアでの取り扱いを開始するなど、販路拡大に着手する。このほか、120周年記念事業として、商標「大礼マーク」のリニューアルも行った。
同日、大阪市内で会見した駒村純一社長は、「1893年の創業以来、120年を迎えた記念行事として、周年記念商品および事業を実行することに決めた」と説明。その上で「最近の森下仁丹は、銀粒の仁丹の技術から派生したシームレスカプセルが脚光を浴び、産業用に向けて開発が行われている。ただ、当社はヘルスケア健康維持を目的とした事業を主体として120年間来たわけで、この精神を土台にして、さらに進化させたい」と抱負を述べた。
今後のヘルスケア事業については、ソリューションプロバイディングとして、問題解決型企画商品をキーワードに医薬品の強化を図っていく構え。
1969年に医薬部外品として発売された「梅仁丹」は、独特な酸味のきいたおいしさから、当時爆発的にヒット。一昨年に発売を中止したが、その間、多くの復活を望む声に応える形で今回、清涼菓子「梅仁丹120」として再登場した。
同品は紀州産梅肉エキスを使用し、ほろ酸っぱいおいしさで、口が渇いた時やリフレッシュに役立つ。丸剤製法により、2日間時間をかけて乾燥させることで、梅本来のおいしさを閉じ込めた。パッケージは昔ながらのレトロなイメージを残しつつ、若い世代にも受け入れられるようなオシャレなデザインとしている。約70粒入りで価格は税込み210円。
「梅仁丹120のど飴」は、11種類のハーブエキスを配合するほか、潤い成分として梅肉のクエン酸やビタミンCに加え、ポリグルタミン酸を配合、潤い感が持続する。約17粒入りで210円。
1929年に発売された銀粒「仁丹」は、主に携帯用パッケージで販売されていたが、通信販売のみで発売していた「詰替45包タイプ」をデザイン一新して、ドラッグストア向けに発売する。同品は戦後は口中清涼剤として長く親しまれてきたが、幅広い効能効果もあり、総合保健薬としても役立ってきた。今回の製品は、「安心で有効な家庭薬として、セルフメディケーションに活用できるようPRしていく」という。3675円。
思い出の品”公募し秋には展示会も開催
今回、コーポレート商標の「大礼服マーク」もリニューアルする。仁丹の発売当初(1905年)から使用しており、これまで何度か時代に合わせてリニューアルしてきた。今回120周年を機に、新しい技術・製品を次々に生み出す、若いパワーに溢れる会社に生まれ変わるべく、今月11日から商標デザインを若返らせる。
デザインの由来は外交官がモデルで、仁丹に「健康や保険を世界に運ぶ“薬の外交官”としての役割を果たしてほしい」との思いを込めたという。また、同社の歴史的資料や品物を展示する展示会を、秋頃に開催する予定。これに向けて社内に歴史史料室を新設し、仁丹にまつわる思い出の品と思い出のエピソードを一般公募する。募集期間は今月11日から5月31日まで。問い合わせは同社歴史資料室「思い出の品プロジェクト係」(TEL06・6761・1131)