アステム(本社福岡市、社長吉村恭彰氏)、バイタルネット(本社仙台市、社長鈴木賢氏)、ほくやく(本社札幌市、社長眞鍋雅昭氏)、茂木薬品商会(本社東京都、茂木友幸氏)の4社は、各社のヘルスケア事業の経営統合に向けた協議を開始すると発表した。年内には経営統合する方針だ。経営統合後の事業規模は約840億円(各社ヘルスケア事業単純合算)で、カバーエリアは北海道、東北、関東、中国、九州に及ぶ。
経営統合を行うのは、アステムの連結子会社アステムヘルスケア(北九州市)、バイタルネットの連結子会社バイタルヘルスケア(宮城県名取市)、茂木薬品商会、ほくやくのヘルスケア事業部。各社は、医薬品卸9社の共同運営会社「葦の会」(東京都)のワーキング協議会組織であるヘルスケア事業本部に加盟する企業同士。
経営統合へ向けた協議を開始する理由として、一般用医薬品流通における経営効率化と専門性、地域性を実現し、各社の事業展開における存在意義を確立することを挙げている。同日付で、4社による経営統合委員会(委員長:川上眞吾アステムヘルスケア常務取締役)を発足させ、年内の経営統合を目指す。
「葦の会」では、ヘルスケア事業本部を昨年10月に設置。今回、経営統合を目指す4社以外にも東邦薬品、アドバンスト・ヘルスケア・サービス(松本市)、中北薬品(名古屋市)などが加盟している。これら企業のヘルスケア事業も、将来的には今回の4社の経営統合に加わる可能性が高い。
一般用医薬品卸は、ドラッグストア企業の広域化や、医薬品販売制度改正による販路の拡大などへの対応を迫られている。最近では、メディセオ・パルタックホールディングスの子会社パルタックが、小林製薬の卸事業のコバショウとの経営統合に向けたを協議を開始。アルフレッサグループのシーエス薬品が大手食系卸の日本アクセスと業務提携するなど業容拡大が進んでいる。