医療用医薬品から一般用医薬品への転用を推進するため、日本大衆薬工業協会は24日、「スイッチOTC薬候補リスト」をまとめ発表した。日本及び海外の状況も踏まえて作成されたもので、候補品目は延べ70成分に及ぶ。大衆薬協はリストを、「厚生労働省のOTC転用スキームを円滑に進めるための叩き台」と位置づけており、これがスキームの入り口となることを期待している。
スイッチOTC薬候補リストの性格に関して、大衆薬協の西沢元仁常務理事は「第1類薬として厚労省の告示した品目以外に、今後検討されるべきではないかという提言、叩き台というべきものだ」と説明している。
リストの選定は、[1]海外で既にスイッチ化の実績があっても、わが国ではまだ新薬として承認実績がなく、医療用として供給されていないものは除外[2]医療用の新薬として承認されていても、再審査結果が公表されていないものも割愛――する方式で行われた。
成分名と適用剤形は次の通り。このうち硝酸ミコナゾール膣坐剤、フルルビプロフェン貼付剤、スルファジアジン銀軟膏、エバスチン内服薬、塩酸プロピペリンなど14成分は、既に欧米でOTC化されている。
▽抗ヘルペスウイルス薬:ビダラビン(軟膏)
▽ニューキノロン系抗菌剤(内服は膀胱炎治療薬):ノルフロキサシン(点眼、内服)、オフロキサシン(点眼、内服)、塩酸ロメフロキサシン(点眼、内服)、レボフロキサシン(内服)、トシル酸トスフロキサシン(内服)、フレロキサシン(内服)
▽イミダゾール系抗真菌剤:硝酸ミコナゾール(膣坐剤)、硝酸イコナゾール(膣錠)、硝酸オキシコナゾール(膣錠)、ケトコナゾール(クリーム)
▽外用感染治療剤:スルファジアジン銀(軟膏)
▽抗トリコモナス剤:チニダゾール(内服)
▽消炎鎮痛剤:ロキソプロフェンナトリウム(内服)、アルミノプロフェン(内服)、ナブメトン(内服)、エモルファゾン(内服)、フルルビプロフェン(貼付剤)
▽中枢性筋弛緩薬:アフロクアロン(内服)、塩酸エペリゾン(内服)
▽褥瘡・皮膚潰瘍治療剤:トレチノイントコフェリル(軟膏)
▽副腎皮質ホルモン剤(吸入は喘息治療薬):プロピオン酸アルクロメタゾン(軟膏)、酪酸クロベタゾン(軟膏)、プロピオン酸ベクロメタゾン(点鼻、吸入)、プロピオン酸フルチカゾン(点鼻)、フルニソリド(点鼻)
▽角膜治療薬:ヒアルロン酸ナトリウム(点眼)
▽アレルギー疾患治療剤:フマル酸エメダスチン(内服)、アンレキサノクス(内服、点眼、点鼻)、レピリナスト(内服)、ペミロラストカリウム(内服)、塩酸エピナスチン(内服)、エバスチン(内服)、プランルカスト水和物(内服)、ペミロラストカリウム(点眼)、トラニラスト(点眼)、イブジラスト(点眼)
▽去痰剤:塩酸アンブロキソール(内服)
▽頻尿・排尿障害治療剤:塩酸プロピベリン(内服)、塩酸オキシブチニン(内服)、塩酸タムスロシン(内服)
▽消化管運動改善剤:ドンペリドン(内服)
▽プロトンポンプ阻害剤:ランソプラゾール(内服)、オメプラゾール(内服)
▽高脂血症治療剤:ベザフィブラート(内服)、イコサペント酸エチル(内服)
▽コレステロール低下・陰イオン交換樹脂:コレスチラミン(内服)
▽ACE阻害薬(血圧降下剤):カプトプリル(内服)、マレイン酸エナラプリル(内服)、アラセプリル(内服)、塩酸デラプリル(内服)、シラザプリル(内服)、リシノプリル水和物(内服)、塩酸ベナゼプリル(内服)、塩酸イミダプリル(内服)、塩酸テモカプリル(内服)
▽低血圧治療剤:塩酸ミドドリン(内服)、メチル硫酸アメジニウム(内服)
▽骨粗鬆症治療剤:アルファカルシドール(内服)、カルシトリオール(内服)、イプリフラボン(内服)
▽αグルコシダーゼ阻害剤:アカルボース(内服)、ボグリボース(内服)
▽痔核局所治療剤:トリベノシド+リドカイン(坐剤)