|
藤井基之参院議員は23日の参院決算委員会で、薬剤師の需給予測や薬学部の新設が相次いでいる問題に対し、政府の見解を質した。薬剤師の需給予測に関して、石田祝稔厚生労働副大臣は薬剤師の取り巻く環境が大きく変化していることから、早急に有識者による検討会を立ち上げ、検討する考えを示した。
薬剤師の需要予測については、2002年に厚労省の薬剤師問題検討会が報告書をとりまとめた。その際、37年には供給が36万人、需要が23万で、13万人の余剰が出ると予測した。しかし、その後、医薬分業の進展や6年制教育開始などを受け、藤井議員は「新たな薬剤師の需給計画をとりまとめるべきだ」と、政府に迫った。
これに対し、答弁した石田祝稔厚労副大臣は、02年時点に比べると、薬剤師を取り巻く環境が大きく変わりつつあることから、「社会的動向を踏まえた需給を把握する必要があると思う。需給予測について、有識者による検討会を立ち上げたい」と述べ、需給予測を見直す考えを表明した。検討会は5月にも立ち上がる見通しだ。
藤井議員はまた、薬学部が相次いで新設され、定員も1万3000人に達するなどしていることを踏まえ、「この状況は好ましいのかどうか」と文科省の見解を質した。
これに対し伊吹文科相は、「基準に合致していれば、設置を認めている。文科省が介入し大学数をコントロールすることは難しい」としたが、「所管官庁で抑制の申し出があり、社会的合意が得られると判断した場合は措置を講じている。まずは厚労省が需給計画を立てて、文科省に協議を申し入れるべきだと思う」と答弁した。