日本経済成長の牽引役としてこれまで以上に期待が高まる製薬産業。メーカー各社は癌をはじめとするアンメットメディカルニーズ領域のパイプラインの充実を急ぎ、シーズ探索やリード化合物の同定に向けて組織体制の強化やアカデミアとの連携を強めている。今回の企画では、生産・貿易・承認などの公表データから国内の概略を眺めた上で、個別化医療の主軸として政府も実用化を支援するコンパニオン診断薬と、Gタンパク質共役受容体(GPCR)を標的とした創薬の現状を取り上げる。コンパニオン診断薬は国内初の製品が5月に登場したばかり。大手では癌領域の多くを分子標的薬とコンパニオン診断薬のセットで開発する動きも見られる。GPCR関連薬は既に多くの品目が上市されているところだが、まだ進行中のパイプラインもある。GPCRの機能解明で業績を上げた米国の研究者に今年のノーベル化学賞が決まり、一般の耳にも届くようになった。
国内生産額トップは埼玉
日本の全医薬品生産額は、厚生労働省の調査によると直近の2011年が6兆9874億円で、このうち9割に当たる6兆3445億円が医療用となっている。
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