核磁気共鳴装置(NMR)を用いて薬の効き具合を正確に予測する手法を、東京大学大学院薬学系研究科の嶋田一夫教授らの研究グループが開発した。G蛋白共役型受容体(GPCR)のNMRシグナル変位を観測することにより、薬効を予測するもので、無数の物質から薬の候補物質を見つけ出す際の動物実験などで調べる従来の方法と比べ、薬の候補物質探索を大幅に効率化することが期待されている。
GPCRは、7回膜貫通構造を有する膜蛋白質ファミリーの一つで、リガンドの結合によってG蛋白質を介したシグナルを惹起して細胞内に伝達するため、シグナル伝達の強度はリガンドによって異なることが知られている。この現象は、他の受容体では見られないGPCRの機能的特徴となっている。
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