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厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会が12日に省内で開かれ、事務局が提示した医療費適正化施策の「基本的な方針」(案)と、療養病床削減目標の考え方などについて意見交換した。適正化方針では、2012年度にはメタボリックシンドローム患者・予備軍の10%以上削減などの目標が示された。
「医療費適正化に関する施策についての基本的な方針」(案)では、住民の健康保持に関して都道府県が達成すべき目標として、[1]特定健康診査の実施率[2]特定保健指導の実施率[3]メタボリックシンドロームの該当者及び予備軍の減少率に関する数値目標””が示された。
特定健診の実施率は、12年度において40歳から74歳までの対象者の70%以上が受診するとした(参考:15年度目標値は80%)。特定保健指導の実施率については、12年度において対象者の45%以上が受けることとした(60%)。また、08年度と比べた12年度時点でのメタボリックシンドローム患者・予備軍の減少率を10%以上とした(25%)
さらに方針案では、医療の効率的な提供の推進に関して、都道府県が達成すべき目標の考え方も提示された。その中で、12年度末時点での療養病床の病床数設定に関する考え方が盛り込まれた。
具体的には各都道府県は、▽医療療養病床の現状数▽医療療養病床から介護保険施設等に転換または削減する見込み数▽介護保険適用の療養病床から医療療養病床へ転換する見込み数””により基礎数を作る。
この数を基本に都道府県は、▽医療費適正化計画中の後期高齢者人口の伸び率▽救命救急医療の充実▽早期リハビリテーションの強化による重症化予防””などを総合的に勘案し、それぞれの地域の実情を加味して療養病床を設定する。
全国レベルでの療養病床の目標数は、今秋をメドに各都道府県における設定状況を踏まえて設定することになっている。