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アステラス製薬は26日に開いた取締役会で、新社長に野木森雅郁副社長が昇格する人事を内定した。現社長の竹中登一氏は、代表取締役共同会長に就任する。6月27日に開催予定の株主総会と取締役会で正式決定となる運び。
アステラスは「日本発の研究開発型グローバル製薬企業」を目指し、医療用医薬品事業へ資源を集中すると共に、国内外の製品パイプライン充実や米国事業の拡大など、グローバル製薬企業としての経営基盤を前進させてきた。交代の理由について同社は、「経営トップの若返りによって、グローバル企業としての成長戦略を一層強力に推進していくため」としている。
野木森氏は1970年に旧藤沢薬品へ入社、97年取締役、98年フジサワゲーエムベーハー社長、00年執行役員、01年常務執行役員経営戦略本部長、03年取締役、04年専務執行役員。05年のアステラス発足時に代表取締役副社長に就任した。
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26日夕、同社内で行われた記者会見で、竹中登一現社長は、野木森氏を指名した理由について、薬学をバックボーンに、今後強化が必要なライセンス、欧米事業の経験が豊富で、公明正大な経営ができることを挙げた。また、様々な経験をもとに各部署から「アイデアを取り上げるのが非常に上手」と評した。
野木森新社長は、「グローバルで存在感のある企業にしていくのが私の使命」と抱負を述べ、将来的には世界トップ10という成長力のみならず、患者の役に立つ企業でも世界トップレベルを目指す考えを表明した。積極的な製品導入を含めたパイプラインの充実と海外事業の強化を経営課題に挙げた。
今月3日に社長の指名があったとし、その時を「すぐさまお答えしなかったが、もがいてもしょうがない」と思ったことを明かした。