薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は3日、新たな高脂血症治療薬「ロトリガ」、6番目のDPP‐4阻害薬となる「スイニー/ベスコア」、非定型抗精神病薬「ジプレキサ」の筋注用製剤の承認と、国内で初めて成人期の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の適応を「ストラテラ」に認める一変承認を了承した。
▽ロトリガ粒状カプセル2g(武田薬品):新規有効成分のオメガ‐3脂肪酸エチルを含有する高脂血症治療薬。イコサペント酸エチル(EPA)とドコサヘキサエン酸エチル(DHA)を主とする製剤。肝臓でトリグリセライドの合成や分泌を抑制し、さらに、血中からのトリグリセライドの消失を促進する。類薬のEPA製剤「エパデール」との比較試験で有効性の優越性が示されている。
1回2mgを1日1回投与し、2回まで増量できる。海外承認は69カ国以上。再審査期間は8年。
▽ジプレキサ筋注用10mg(日本イーライリリー):有効成分はオランザピンで、統合失調症における精神運動興奮を効能・効果とする。既に経口剤があるが、即効性のある注射剤を新たに開発した。
1回10mgを筋注し、2時間以上を開けて10mgを追加投与できる。海外承認は83カ国。再審査期間は6年。
▽ストラテラカプセル5mg、同10mg、同25mg、同40mg(日本イーライリリー):有効成分のアトモキセチン塩酸塩を含有し、成人期におけるAD/HDの効能・効果を追加する。
同剤は、ノルアドレナリンの再取り込み過程を選択的に阻害し、患者の多動や注意力欠陥を改善する。これまで18歳未満の小児期に限定されていたしばりを外す。海外29カ国で成人期の適応を取得している。再審査期間は、残余の2017年4月21日まで。
▽スイニー錠100mg(三和化学研究所)、ベスコア錠100mg(興和):新有効成分のアナグリプチンを含有し、2型糖尿病を効能・効果とする。
同剤は、シタグリプチン、ビルダグリプチン、アログリプチン、リナグリプチン、テネリグリプチンに次いで国内6番目となるDPP‐4阻害薬。1回100mgを1日2回投与する。1回200mgまで増量が可能。海外の承認はなし。再審査期間は8年。
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