2008年度に薬学部開設を目指している大学が、少なくとも3校はあることが本紙の調べで明らかになった。鈴鹿医療科学大学、立命館大学、つくば薬科大学(仮称)の3大学で、文部科学省への設置申請を予定している。申請通り承認されれば、2008年度には74大学・75校となる。薬学部の定員も300人増えて1万3574人、6年制学部だけでも1万2834人に拡大する。私学だけに限っていえば、02年度以前は29大学だったが、来年度設置予定の3校を含めると03年度以降の6年間に29大学が誕生し、新設ブームで私立薬大の数が倍増することになる。
今年度に設置申請するつくば薬科大学は、設置母体が広沢学園で茨城県内に歯科衛生学校などを開設しているほか、関連企業として県内に金属加工を手がける廣澤製作所がある。設置されれば茨城県では初の薬学部となる。
当初は今年度の開設を目指していたが、地元の市町村合併に伴う手続き等の問題から、申請を延期した経緯がある。学生数は6年制1学科150人を予定していたが、100人に減らして申請する模様。キャンパスは、筑西市茂田にある下館ゴルフ倶楽部の一部を利用して建設が進められている。
鈴鹿医療科学大学は昨年4月に設立準備室を設置し、川西正祐氏(三重大学名誉教授)を中心に開設準備を進めている。同大学のキャンパスは三重県鈴鹿市岸岡町にあるが、薬学部校舎は隣町・南玉垣町のNTT跡地に建設される。三重県初の薬大で定員は100人を予定。
立命館大学は、滋賀県草津市の「びわこ・くさつキャンパス」に薬学部を設置する。生命科学部も同時開設する構想だ。薬学部は6年制のみで定員100人を予定。専任教員は生命科学部と合わせて60人程度。医師免許保有者の任用など、特色ある教員体制を検討しているという。滋賀県も薬学部は初めて。
1学年当たりの定員をみると、薬学部の新設ラッシュが始まる前の02年度までは、私学が29校で6905人、国公立大が17校で1475人の合わせて8380人であったが、来年度には1万3574人と1.62倍に膨れあがる。
このほか既設大学の動きとしては、04年度に設置された千葉科学大学が、今年度から140人の定員を250人に大幅拡大した。6年制の薬学科140人を200人に、4年制の薬科学科20人を50人に増やしたもので、薬科学科では従来の創薬生命科学コースに加え、動物薬科学コースも設置した。
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