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欧州製薬団体連合会(EFPIA)本部のジャン・フランソワ・デュエック副会長(仏サノフィ・アベンティス会長)が来日し、3日に都内で記者会見した。日本の製薬業界の再編について「集約の度合いが進んでいない」との認識を示した上で、「日本の産業は今後数年間大きく再編すると思う」と語った。また、日本市場の魅力の低下を挙げ、「日本政府など関係者が何とかしなければならないという自覚は数年前より数段高くなった」と指摘し、“官民対話”で政府と製薬産業界が対話により解決に動いたことを評価した。
デュエック副会長の訪日目的は「EFPIAの世界各地へのアプローチへの一環」。日本医師会会長や厚生労働省幹部、日米製薬団体幹部、医療従事者、患者会と面会し、薬価を含めたイノベーション促進策などを提言したという。会見は、これら面会終了後に行われた。
その中で製薬産業の再編については、「日本の産業界は再編成の最中。再編成が終わったかというとノーだ。自動車や鉄鋼業と比べれば、(会社)数からすると集約の度合いが進んでいない。集約化されれば、米国、欧州でも投資することになるだろう。日本の産業は今後数年間大きく再編すると思う」と語った。
今の日本市場については、「(かつて投資が米国に逃げていった)欧州が直面した問題と同じ」と述べ、英仏などが官民対話により解決に動いたことと同じように、日本政府と産業界が動き始めたことについて評価。「今、進めていることはニーズに応えていることが分かり、今回確認できた。現状に懸念を持つのではなく、現状を理解し、説明し、私たちの体験を提供し、つくり上げていくことが大事だ」と述べ、解決にEFPIAも協力する姿勢を改めて強調した。
薬価制度については、イノベーションに見合った評価の一方で、高齢化に伴う医療費の伸びの抑制策のバランスを取ることが課題と指摘した。