|
厚生労働省は4日、薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会に、タミフル(一般名:リン酸オセルタミビル)の副作用報告を精査した結果を示した。それによると同剤販売後、3月20日までに報告された副作用のうち、タミフルとの関連が報告された死亡事例は55人あり、うち異常行動が記録された事例は8人、突然死が9人であった。また副作用報告された1079人のうち、異常行動が記録された事例は128人あり、8割近くが19歳以下に集中していたことも明らかになった。
調査会に提出されたのは、タミフル販売開始後に製造販売業者である中外製薬から提出された副作用報告(個別の症例報告)を精査した結果。精査は▽報告された副作用の全体像の把握、症状別の解析▽異常行動を副作用として報告したか否かにかかわらず、何らかの異常な行動が記録されている事例▽タミフルとの関連が報告された死亡事例””について解析・分析された。
厚労省ではこれまで、タミフルの副作用に関し、およそ1800件の副作用が報告されていると公表していたが、データベースで重複例をチェックするなど、さらに内容を精査した。その結果、タミフルの副作用報告件数は1465件(1人で二つの副作用が発現した場合は2件とカウント)、人数ベースでは1079人だった。
1079人のうち、異常行動が記録されていた事例は128人。この中には、ベッドで飛び上がったといったものなど広範な事例までが含まれている。
年代別でみると、10歳未満が33.6%、10019歳が44.5%で、合計78.1%に達する。他の年代は105%台にとどまっており、、異常行動の副作用の多くは、19歳以下から報告されていた。
なお、128事例のうち、インフルエンザウイルス感染が明確なものが93例、感染していないものが9例、不明が26例だった。
一方、タミフルとの関連が報告された死亡例は61人あった。このうち6人は治験中の事例や論文等に記載があった研究報告と、中外製薬がタミフルとは関係ないとないとして報告しなかった事例で、これを除いた55人では、異常行動が記録されていた死亡例は8人、突然死が9人だった。
タミフル服用後の転落・飛びおり事例については、ドクターレター発出を決めた3月20日時点では22人あったとしていたが、同日以降に報告事例を精査したことや新たな事例報告もあり、同省が4日午前7時段階で集計した最新の数字は、10歳代で19人(うち4例が死亡)、その他の年代が4人(うち死亡2人)だった。
一方、副作用報告1465件の内訳をみると、「精神障害」が249件で最も多く、以下「神経系障害」197件、「胃腸障害」169件などが続いていた。年代別では「009歳」329件、「10019歳」255件で、19歳以下の副作用報告が約4割を占めていた。
さらに精神障害を詳細みると、転落・転倒等に直接関係のない10症例を含め、異常行動は77件報告されていた。年齢別でみると「009歳」が30件、「10019歳」が37件だった。異常行動の副作用は、年齢別では19歳以下で9割近くを占めていたことになる。
- 新型インフルエンザ‐国内発生時の対策GL公表
2007年04月03日
- タミフル問題で、メーカーも対応に追われる
2007年03月22日
- 【タミフル】緊急安全性情報‐10代の処方は原則中止
2007年03月22日
- 【厚労省】タミフルで注意喚起
2007年03月01日
- タミフルの安全性「重大な懸念なし」‐厚労省が見解
2006年11月15日
- 【06/07インフルエンザシーズン】タミフル、1200万人分の供給を準備‐中外製薬
2006年07月20日