全日本薬種商協会は23日の代議員会で、任期満了に伴う役員改選を行い、新会長に副会長の櫻本貴雄氏(70歳)を選出した。会長選には現職の岩井清会長のほか、櫻本氏、鎌田伊佐緒理事の3人が立候補していたが、岩井氏は届け出を取り下げ、櫻本氏が39票を得て当選した(鎌田氏は16票、無効1)。櫻本氏は2003年から東京都薬種商協会会長及び全薬協常務理事、05年から全薬協副会長に就任している。
今回の代議員会では、日本チェーンドラッグストア協会などが中心となって設立を進めてきた「日本医薬品登録販売者協会」(仮称)に、鎌田氏が会長、内藤隆氏も理事に就任するなど、事業内容が競合する両団体役員を兼任する是非が問題となった。両氏は岩井会長からの退会勧告を受け入れず、岩井氏は任命権者として混乱を招いた責任を取り立候補を取り下げた。
鎌田、内藤の両氏とも、新団体へは個人資格で参加したものの法人の理事でもあり、会長の承諾を得たとはいえ正式な機関決定ではないことなどから、定款に基づき全薬協会員からの除名を問う審議が行われた。その結果、内藤氏は除名賛成が38票、反対18票と3分の2以上の賛成で除名が議決されたが、鎌田氏は除名賛成が35票で否決された。
このほか新執行部として、副会長に近孝之(栃木)、金澤洋一(高知)、松元正人(鹿児島)の各氏、監事は成瀬喜信(千葉)、小林正享(鳥取)の両氏が選出された。
新会長となった櫻本氏は、「登録販売者が新たに誕生しようとする中で、(既存会員との棲み分けなど)薬種商協会という組織の方向性も問われてくる。まずは6月6、7の両日、地元東京で開催される全薬協創立70周年記念・第60回全国大会に全力を傾注していきたい」と語った。